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ナイト・ミュージアム

〜お知らせ〜 19.20日は定休となります。

 

冷たい雨が降る昨夜、店の終了後に向かったのは

上野国立博物館。

 

ここが週末金、土曜日は21時までの開館と言う事を

知る方は少ないかと思います。

 

先月出掛けた『人・物・自然』アールサーニ・コレク

ションの内容があまりにも素晴らしく、一度では消化

出来なかった為の再訪でした。

夜半、しかも寒さの中の博物館はきっと貸切…と思っていたらとんでもない。

 

そこそこの人で館内は溢れかえり状態。

 

皆さんそれぞれに興味のある展示品に釘付けでした。

 

素晴らしい展示品の中、店長が再度見たかったのは、瑪瑙の杯を含む幾つかのモノ。

 

文明の一つ古代バビロニア辺りから発生したという『目』に例えた縞瑪瑙の模様。

 

英語では『Talismanic eyes、Evil eyes』と表現される、お守りの原点です。

 

その中でも最強とされていた茶瑪瑙は、古代世界から

この石は身に着けると勝負運強く、毒消し、富や幸福、

健康をもたらすと考えられていたとか。

 

そうした想いと願いがこうした杯になり、この杯で

水や酒を飲む事で、効能を信じたのでしょう。

 

パワースポット巡りが盛んな昨今。

 

上野のここにもありますが、展示は2月9日までです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 09:47 * - * - * - -

人・神・自然

〜お知らせ〜  2日は定休日となります。

 

師走となり、駆けだす様に日々を過ごす前に、気持ちに

ゆとりが在る時に行かねば!と決めていた、上野国立

博物館で開催中の特別展『人・神・自然』を見に。

 

カタール王族でもあるシェイク・アール・サーニ殿下に

よる、コレクション群です。

東洋館の中の小さな展示室に入った途端に取り込まれた世界。

 

人間がこの世に誕生し、文明というものを持ち始めた時から始まる、人と自然との関わりの中で誕生した畏怖する自然への想いを、形にしたというモノ達。

 

細密な造形、今よりも余程洗練されたデザイン性と共に、居るか居ないかを問いたくなる精霊の姿。

 

今年見た展覧会の中でも最も驚いた、美しく崇高なものでした。

一番感動したのは、目録本の表紙にもなっていた、紀元前3000年前に造られたという大理石の女性像。

 

削ぎ落とされ、抽象で表現された女性の形は、やや顎を持ちあげて、空を眺めている様想から「スターゲイザー(Stargazer)星を見つめる者の意」と呼ばれる姿。

 

夜になると空に現れる月や星を、どういう想いで人は眺めたのか、脇に入る斜めの切り込みは、腕を折り込んで、願いを捧げている様にも思えます。

 

この小さな空間に、有史以来、世界中で人が造り得る最大で最上の造形物が集まっているかのような様相に、人のコレクションにあまり感動した事が無い店長ですが、あともう一度必ず再訪することを願った展覧会。

 

来年の2月9日迄の開催だそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

祭祀用の黄金のカップ(?)でしょうか。背のホールから飲み物を入れ、口元のチューブから液体を飲むスタイル。毛並みを表現する点描の様な柄は、一つ一つタガネで文様を彫り込んでいる、真摯な職人魂が感じられ「うぅ…レプリカで良いから欲しい…」と呟いてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 08:45 * - * - * - -

絶景博物館

昨日日本に帰国し、今日から通常営業に戻りますが

当分頭の中は欧州もどきの店長には、ご容赦下さい。

 

パリの名物エッフェル塔の、実は隠れた絶景ポイントが、

塔の近くのシャイヨー宮の中にある『建築遺産博物館』。

 

フランス各地に散らばる古今の名建築を集めた集大成

となる見所満載の空間です。

古くからフランスは、実験建築の場とも言えるほど、個性的建築による建物物が多く、それは才能さえあるのなら、例え外国人の手でも構わないよが伝統からだとか。

 

見所が多く、お好きな方なら半日でも時間がつぶせそうな程に展示量があるのですが、今回はその中の一つ、近代命建築家の一人に数えられる、ル・コルビジェによる集合住宅『ユニテ・ダビタシオン』の実物モデルを見に行くのが最課題。

 

1950年代、南仏マルセイユに建てられた集合住宅は、コンパクトなサイズの中に、どれだけ広さを感じることが出来るかが意図のようで、それは実際のモデルルームがあるからこそ、分りえた事。

 

エントランスの天井の低さと、対極のリビングダイ

ニングの2階まで伸び上がる天井という緩急の使い

方に感心。

 

建築大好き店長は、この広い館内を泳ぐ様に鑑賞し、

気付けばあっという間に2時間越えの滞在に。

 

要所からは、目の前のエッフェル塔がそびえる姿を

楽しんで、満腹状態。

 

館内には世界中から集めた、建築関係の書物を

納める広い図書館も。

 

館内ほどよくエアコンが効いていて、随所のソファも

イタリアcassinaのモノ。

 

眠くなったら、ダビタシオンの実際モデルルームの

寝室に、ベットもありまする。

 

 

 

 

Jellicour * Art * 09:36 * - * - * - -

詩情の月

昨夜の美しい新月に刺激されたか、翌日午前中は

アポも無く、比較的ゆったりだったため、その時間を

利用してエキジビジョンを見に、パリの中心へ。

 

それは現在グラン・パレで行われている『月』展。

 

太陽とは対極にある地球の唯一の衛星のお月様は、

昔から信仰の対象になったり、多くの芸術家を刺激

して、様々な表現に力を貸すごとく、実に多くの

『月』がテーマの作品が、絵画から彫刻に到るまで

存在します。

 

あまたのなかでも一番心惹かれたのは、ロシア出身

芸術家Leonid Tishkov(レオニド・ティシュコフ)の

写真郡『private moon』。

 

まるで空から降りてきた本物の月を、恋人よろしく

旅のお供に連れ添って、様々なシーンを月と共に

撮影して発表。

 

その詩情豊かな表現にと、輝く月が飾られた彼の

作品が、会場でも一番好評だったかもしれません。

 

月の世界を堪能して、表に出たら既に30度近い

灼熱のパリの街が待っていて、とっさに状況読めず

にうろたえの店長。

 

この後は怒涛のスケジュールが待っています。

 

Jellicour * Art * 06:07 * - * - * - -

fujita@paris

〜お知らせ〜本日29日は勝手乍、夕方5時の閉店

         となります。

 

炎暑の昼下がりにに向かった没後50周年、藤田嗣治

回顧展は、集大成を見るには相応しい展覧会。

 

画業が長く、作品も多い故に多くを見て来たフジタ

の作品ですが、多くはある時期だけのものだったり、

テーマ別の作だったりと意外に点のみで、繋がって

線で見る事が叶ったのは初めてかも。

 

1920年代のアールデコ。

 

パリに単身渡り、当時キラ星の芸術家と対等に渡り

合い、果てはおかっぱ頭、丸眼鏡、ちょび髭、

ピアスと、自らをアートそのものの様に特徴づけ、

フランスの世界に溶け込んだ明治の男の規格外の

生き方に興味津津。

 

世界を放浪しながら、どんな場所でも描く事だけで

生きてきた生き方が芸術家そのものの人間を知る、

機会でもありました。

 

彼がフランスに渡った頃に描いた、何気ない街並。

 

冬枯れの空の色を彼は「パリの冬の真珠の様な空

と語ったとか。

 

銀色雲の中に、時々見える明るい空の色を、真珠に

例えたフジタのモノの見方は、やっぱりこの時代に

あっては希有。

 

展覧会は10月8日までだそうです。

 

藤田のエピソードで好きなのは、若きパリの時代、狂乱の毎夜のパーティーで、彼が日本のドジョウすくいを踊ってお披露目、大いにウケまくったという話。

 

でもその宴会後には一人粛々と絵筆を握り、気付けばパリ画壇でも人気が出たとか。

 

能ある明治男は爪を隠して才能開花ということ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 10:34 * - * - * - -

現在雪降る地方に居る店長。

 

雪も常時降るわけではなく、いきなり雪雲が

近づいて来て雷雨の様にザザッと降り、

気付いたら止んでいるというのを繰り返して

います。

昨日の午前も、パラパラと屋根に当たる音が大きいので外を覗いたら、まんまるのまるでビーズの様なあられが、うっすら積もる雪の上に真珠のビーズのように、地面に散らばっているサマに目を奪われました。

 

写真は、昨年パリで見たディオール展でのまるで雪のような真っ白のアフタヌーン・ドレス。

 

雪のような裾飾りが可愛らしくも美しい、着る人をキュートに魅せるドレスです。

 

このドレス、ディオールが雪の風景の中から思いついたのでは?という想像を否定できる人は居ないかと…。

さて、ジャパンカントリーに滞在の店長は、雪にもひょうにもあられにもめげず、これから温泉へと向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 09:52 * - * - * - -

ガラスのれきし

〜お知らせ〜 勝手ながら13日(月)まで、買い付けの為

実店舗、web共にお休みを頂いております。14日より

通常の営業となります。ご用の方はお手数ですが、下記

メール宛にお寄せ下さい。

info@jellicour.com  

jellicour@gmail.com

 

9月から新しい展示が始まったという、パリのクリニュー美術館に

中世ガラスの歴史を見に、買い付けの合間に訪れました。

ガラス自体、遥か4千年以上昔のメソポタミア文明の頃から生産

流通し始めた様ですが、工学製品(メガネや科学実験での道具)

として発展が始まったのは、中世の頃から…という定義に基づき

始まる展示の流れ。

 

石造りの堅牢な建物に、光を取り入れる窓に嵌め込んだ透明な

板ガラスは、当時は筒状に吹いた物を切って平らにして板状に

したり、シャボン玉の様に吹いた円を大きく窓枠の大きさまで

伸ばして嵌め込んだり・・・と、当時の職人の製作具合まで、

アニメで説明という手の込んだもの。

 

色を着ける事を覚えてからは、勿論教会等のステンドグラス

として発展をしていくのですが、描かれた聖母子像の傍らに

置かれたコップの花瓶などに、生活雑貨として既に多くが

家庭に入っていたことが偲ばれます。

そして勿論、それは装身具等、工芸品の材料の一つとして重宝がられたことも、多くの展示物が示していました。

 

写真は13世紀から16世紀に作られた、白色のカボッションガラスのシルバー枠リング。

 

既に変化が始まっているのか、表面にうっすら銀化現象が現れているガラス表面の色は、パールにも

見えなくない、ユニークな色合いへと変化。

 

ルイ14世の頃まで遡るという、ガラスを使ったイミテー

ションパールの歴史も、意外に納得。

 

もしかするとこのリングは、コスチュームジュエリーの

始まりの一つかも…と考えること暫し。

 

素敵に見えた者(物)勝ち…という、オシャレ心は素材を

超える考えは、人の感情の根源の一つかも…と思わせた、

貴重な機会。

 

素材の面白さにドップリ漬かった、店長の旅。

 

明日から店とwebは通常通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 02:17 * - * - * - -

スペインの光と影

パリのバスティーユ広場近くの歴史地区、マレ。

 

美しい回廊と中央の広場の緑の公園で有名なヴォージュ広場に

面してたたずむ、ヴィクトル・ユゴー記念館。

 

夏の終わり、そこで開催されていた、スペインの民族衣装展へ。

 

既に春先に見たバレンシアガ展から始まる、一連のスペイン

衣装の大きな流れの様です。

 

地方性が豊かな欧州の左下、「ピレネー越えたらアフリカ」と

言ったのはナポレオンだそうですが、どうしてその個性的で

美しい衣装達は、繊細な刺繍や色合い、レースなども取り入れ

ての、凝った仕立てから見ても素晴らしいもの達が、小さな

館内に、所狭しと飾られていました。

 

どの国の民族衣装にも共通していることですが、伝統から成る

衣類には、多くの歴史の積み重ねの中で築き上げた色彩配色と

その模様の一つ一つに、特別な意味や祈りが込められている事

が盛り込まれ、人の営みを深く感じる事が出来ます。

 

多くの衣装の中で、異色な存在として目立っていた、マントン

・デ・マニラは、スペイン伝統の大判ショールで、見事な

花の刺繍と淵の長いフリンジが独特ですが、どう見ても刺繍

スタイルは中国風。

 

マニラといえば勿論スペインが植民地としていたフィリピン

の首都ですが、どうやらショールは中国で作られ、マニラを

経由してスペインに運び込まれたことで、そう呼ばれた様。

 

スペインのフラメンコ舞踏でも、女性ダンサーが、まるで翼の

如くショールを振り回して、艶やかさを際立たせています。

 

つい先日も、スペインのカタルーニャ地方の独立問題が

世間で騒がれていましたが、欧州の歴史は、地方性と植民地の

歴史でもあり、その支配した国ごとに、落としていったスタイル

の違いを知るときがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 12:30 * - * - * - -

ディオール舞踏会

パリで行われている、ディオール展。

 

装飾美術館の広大な展示ルーム、2階半分から、1階に

かけての展示室を、テーマごと、係ったデザイナー毎に

小分けして見せるという大規模なもので、その最後を

飾るのは、1階中央ホールに設けた『ディオール舞踏会』

と名付けられた圧巻の展示。

 

3階まで届く遥か彼方の天井以外、壁から床まで埋め尽く

された多くのドレス類は、全てオートクチュール。

 

イヴサンローラン、マルク・ボアン、ジャンフランコ・

フェレ、ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ…。

 

歴代のデザイナーがディオールに捧げた時間の中で

生み出された、多くのドレス類は、流行を超えた向こうに

存在する、永遠性を持つ『何か』。

その手仕事の細かさ、出来上がるまでに費やされる

人の手と膨大な時間を考えるだけで、したたか酔って

しまいそう。

 

ひたすらに圧巻でしたが、それは今はやや斜陽にもなり

かけている、オートクチュールというシステムの面影を

辿るということでもある様な気がしました。

 

最低でも仮縫いに3回という膨大な時間という犠牲を敷く

からこそ生まれる究極のシステムの一つ。

 

展覧会は来年1月7日までとのこと。

 

全日を入れて、混んでいる事は明らかの様ですので、

行かれる方は覚悟を決めて。

 

そして展覧物はどれだけ撮影しても良いそうですので、

スマホでも何でも、カメラの持参をお忘れなく!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 13:17 * - * - * - -

クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ

ようやく店も秋の装いに落ち着いて、夏の旅の

名残を思い出しながら、忘備録の様に書き連ね

ます。

ブランド設立70周年を記念して、パリ装飾美術館で始まった『クリスチャン・ディオール』というブランドそのものの回顧展。

 

パリに到着した翌日にアタックするも、長蛇の列に玉砕。

 

翌日仕切り直して、開館40分前に着くも、1時間の列とのこと。

興味深いのは、メゾン設立して現役のクチュリエとしては、たった10年のディオールが、なぜ今までブランドとして残り得たのか、その創造性の秘密を知りたくて、向かった次第。

 

1905年にディオール家の次男として生まれた、繊細な色白の男の子クリスチャンは、既に幼いころから家族の洋服のデザインをしていたということなので、どうやらデザインセンスは生まれながらのもの。

 

でも世界は激動の時代を迎え、1939年に始まるドイツのポーランド侵攻から始まる第二次世界大戦に、既にファッション業界で頭角を表わしていた34歳のディオールも陸軍に徴兵。

 

それでも絶対的武装力においては、数段優れていたドイツにあっけなく降伏。

 

徐々にフランスの産業へ侵攻を深めていたドイツは、フランスの優秀なモードの産業をドイツベルリンに移そうと企てるも、それに関しては諦めざるを得なかったとか。

 

それは戦後、クチュール業界の会長だったリュシアン・

ルロンが、各メゾンに小さな人形に実寸から製作した

服を着せ、遠くはアメリカまで遠征して展示され、

ドイツが掌握不可能であったフランスのモード界の

健在と何処にも真似の出来ないクオリティがあった

から。

 

『ローマは一日で成らず』の如く、『ディオールも

一日で成らず』という、長い長いフランスのDNAに

まで入り込んでいる深い最上のセンスの繋がりの

秘密が展示された、ドレスの一つ一つに感じる事が

出来る、素晴らしい展覧会。

 

おそらく、この展示を見に行くだけでも価値がある

かも…と言っても、大袈裟ではないかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 12:09 * - * - * - -
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