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ガラスのれきし

〜お知らせ〜 勝手ながら13日(月)まで、買い付けの為

実店舗、web共にお休みを頂いております。14日より

通常の営業となります。ご用の方はお手数ですが、下記

メール宛にお寄せ下さい。

info@jellicour.com  

jellicour@gmail.com

 

9月から新しい展示が始まったという、パリのクリニュー美術館に

中世ガラスの歴史を見に、買い付けの合間に訪れました。

ガラス自体、遥か4千年以上昔のメソポタミア文明の頃から生産

流通し始めた様ですが、工学製品(メガネや科学実験での道具)

として発展が始まったのは、中世の頃から…という定義に基づき

始まる展示の流れ。

 

石造りの堅牢な建物に、光を取り入れる窓に嵌め込んだ透明な

板ガラスは、当時は筒状に吹いた物を切って平らにして板状に

したり、シャボン玉の様に吹いた円を大きく窓枠の大きさまで

伸ばして嵌め込んだり・・・と、当時の職人の製作具合まで、

アニメで説明という手の込んだもの。

 

色を着ける事を覚えてからは、勿論教会等のステンドグラス

として発展をしていくのですが、描かれた聖母子像の傍らに

置かれたコップの花瓶などに、生活雑貨として既に多くが

家庭に入っていたことが偲ばれます。

そして勿論、それは装身具等、工芸品の材料の一つとして重宝がられたことも、多くの展示物が示していました。

 

写真は13世紀から16世紀に作られた、白色のカボッションガラスのシルバー枠リング。

 

既に変化が始まっているのか、表面にうっすら銀化現象が現れているガラス表面の色は、パールにも

見えなくない、ユニークな色合いへと変化。

 

ルイ14世の頃まで遡るという、ガラスを使ったイミテー

ションパールの歴史も、意外に納得。

 

もしかするとこのリングは、コスチュームジュエリーの

始まりの一つかも…と考えること暫し。

 

素敵に見えた者(物)勝ち…という、オシャレ心は素材を

超える考えは、人の感情の根源の一つかも…と思わせた、

貴重な機会。

 

素材の面白さにドップリ漬かった、店長の旅。

 

明日から店とwebは通常通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 02:17 * - * - * - -

スペインの光と影

パリのバスティーユ広場近くの歴史地区、マレ。

 

美しい回廊と中央の広場の緑の公園で有名なヴォージュ広場に

面してたたずむ、ヴィクトル・ユゴー記念館。

 

夏の終わり、そこで開催されていた、スペインの民族衣装展へ。

 

既に春先に見たバレンシアガ展から始まる、一連のスペイン

衣装の大きな流れの様です。

 

地方性が豊かな欧州の左下、「ピレネー越えたらアフリカ」と

言ったのはナポレオンだそうですが、どうしてその個性的で

美しい衣装達は、繊細な刺繍や色合い、レースなども取り入れ

ての、凝った仕立てから見ても素晴らしいもの達が、小さな

館内に、所狭しと飾られていました。

 

どの国の民族衣装にも共通していることですが、伝統から成る

衣類には、多くの歴史の積み重ねの中で築き上げた色彩配色と

その模様の一つ一つに、特別な意味や祈りが込められている事

が盛り込まれ、人の営みを深く感じる事が出来ます。

 

多くの衣装の中で、異色な存在として目立っていた、マントン

・デ・マニラは、スペイン伝統の大判ショールで、見事な

花の刺繍と淵の長いフリンジが独特ですが、どう見ても刺繍

スタイルは中国風。

 

マニラといえば勿論スペインが植民地としていたフィリピン

の首都ですが、どうやらショールは中国で作られ、マニラを

経由してスペインに運び込まれたことで、そう呼ばれた様。

 

スペインのフラメンコ舞踏でも、女性ダンサーが、まるで翼の

如くショールを振り回して、艶やかさを際立たせています。

 

つい先日も、スペインのカタルーニャ地方の独立問題が

世間で騒がれていましたが、欧州の歴史は、地方性と植民地の

歴史でもあり、その支配した国ごとに、落としていったスタイル

の違いを知るときがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 12:30 * - * - * - -

ディオール舞踏会

パリで行われている、ディオール展。

 

装飾美術館の広大な展示ルーム、2階半分から、1階に

かけての展示室を、テーマごと、係ったデザイナー毎に

小分けして見せるという大規模なもので、その最後を

飾るのは、1階中央ホールに設けた『ディオール舞踏会』

と名付けられた圧巻の展示。

 

3階まで届く遥か彼方の天井以外、壁から床まで埋め尽く

された多くのドレス類は、全てオートクチュール。

 

イヴサンローラン、マルク・ボアン、ジャンフランコ・

フェレ、ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ…。

 

歴代のデザイナーがディオールに捧げた時間の中で

生み出された、多くのドレス類は、流行を超えた向こうに

存在する、永遠性を持つ『何か』。

その手仕事の細かさ、出来上がるまでに費やされる

人の手と膨大な時間を考えるだけで、したたか酔って

しまいそう。

 

ひたすらに圧巻でしたが、それは今はやや斜陽にもなり

かけている、オートクチュールというシステムの面影を

辿るということでもある様な気がしました。

 

最低でも仮縫いに3回という膨大な時間という犠牲を敷く

からこそ生まれる究極のシステムの一つ。

 

展覧会は来年1月7日までとのこと。

 

全日を入れて、混んでいる事は明らかの様ですので、

行かれる方は覚悟を決めて。

 

そして展覧物はどれだけ撮影しても良いそうですので、

スマホでも何でも、カメラの持参をお忘れなく!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 13:17 * - * - * - -

クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ

ようやく店も秋の装いに落ち着いて、夏の旅の

名残を思い出しながら、忘備録の様に書き連ね

ます。

ブランド設立70周年を記念して、パリ装飾美術館で始まった『クリスチャン・ディオール』というブランドそのものの回顧展。

 

パリに到着した翌日にアタックするも、長蛇の列に玉砕。

 

翌日仕切り直して、開館40分前に着くも、1時間の列とのこと。

興味深いのは、メゾン設立して現役のクチュリエとしては、たった10年のディオールが、なぜ今までブランドとして残り得たのか、その創造性の秘密を知りたくて、向かった次第。

 

1905年にディオール家の次男として生まれた、繊細な色白の男の子クリスチャンは、既に幼いころから家族の洋服のデザインをしていたということなので、どうやらデザインセンスは生まれながらのもの。

 

でも世界は激動の時代を迎え、1939年に始まるドイツのポーランド侵攻から始まる第二次世界大戦に、既にファッション業界で頭角を表わしていた34歳のディオールも陸軍に徴兵。

 

それでも絶対的武装力においては、数段優れていたドイツにあっけなく降伏。

 

徐々にフランスの産業へ侵攻を深めていたドイツは、フランスの優秀なモードの産業をドイツベルリンに移そうと企てるも、それに関しては諦めざるを得なかったとか。

 

それは戦後、クチュール業界の会長だったリュシアン・

ルロンが、各メゾンに小さな人形に実寸から製作した

服を着せ、遠くはアメリカまで遠征して展示され、

ドイツが掌握不可能であったフランスのモード界の

健在と何処にも真似の出来ないクオリティがあった

から。

 

『ローマは一日で成らず』の如く、『ディオールも

一日で成らず』という、長い長いフランスのDNAに

まで入り込んでいる深い最上のセンスの繋がりの

秘密が展示された、ドレスの一つ一つに感じる事が

出来る、素晴らしい展覧会。

 

おそらく、この展示を見に行くだけでも価値がある

かも…と言っても、大袈裟ではないかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 12:09 * - * - * - -

メデューサ、 宝石とタブー

ノスタルジー香るロマンチック美術館で、ルドゥテの花の

香を楽しんでから後にして向かったのは、モダンな内装の

パリ近代美術館。

 

そこで開催されている『メデューサ、宝石とタブー』展へ。

変わったタイトルだなぁと、あまり期待せずに訪れたのが裏切られたかのような、圧巻の400点もの装身具。

 

権力の象徴として身を飾るモノ

お守りとしての役割のモノ

華やかで豪奢な象徴としてのモノ

お洒落の仕上げのモノ

メッセージ、スローガンとしてのモノ

ジョークとして仕上げたモノ…

 

装身具だからこそ可能な『表現物』として、あらゆる側面から捉えたそれは素材を超え、時空すらも無視した実験展示。

 

コスチュームジュエリーからコンテンポラリージュエリー迄網羅

されるユニークさを、ディレクターのFabrice Hergott氏が、

軽やかに振り分け、展示しているサマを堪能。

 

サラ・ベルナールが愛したラリックの横に、パスタを使った

ユニークなコンテンポラリーのネックレスが在ったり、カル

ティエのブローチの隣にベークライトのバングルを添え

たりと、もうテーマを変えると、こんなにも自由に展示可能

なの!?と思わせる奔放さ。

 

本来宝石を芸術作品と捉える人は少ない所を「いや、これは

最小のアートであり、アイデンティティを示す道具でしょ?」

を問うた展覧会。

 

どこまでが宝石でどこからがアートなのか…?

 

回答の無い世界の海を泳ぐ魚になった気分で、回遊型の

展示室を3回もグルグル。

 

消化不良のまま、会場を出た店長です。

 

でもこんな大胆な企画が出来るのも、パリならではのもの

かもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 05:39 * - * - * - -

型サンプル

訪れたパリの工芸博物館に、さり気なく飾ってあった

宝石の枠の原型サンプル。

 

芸術作品のような金属飾りを作るフランスは、宝石にも

その技術を応用。

 

効率良く、美的な装身具を創り上げることに力を入れ

始めます。

石枠の『シャトン』は日本でも同呼称ですが、規格外の

石座を作る為や空間の飾り枠は、『ギャラリー(回廊)』

と呼ぶあたり、何ともフランスらしい呼び名。

 

説明によると1853年、この技術を持って躍進した

フェレとブーレ(会社名)は、あらゆる型のパターンの

シリーズを作り、バリエーションを増やします。

 

そして、全体の製作工程を3つに分けます。

 

一つは金属をカット、次は押し型を利用した形作り、

最後に石のセッティングを行い、仕上げの磨き。

 

時短と経費の節約が叶い、また型ならではのハンド

メイドとは違うデザインが可能ともなり、一日に3000個

ものパーツを仕上げる事が可能であったそう。

 

これらの枠は、アンティークやヴィンテージの品に見た

ことがある方も居られるのではないかと思いますが、

よくビーズを作る方々に言われるのは「金属の石枠が

無い!」というもの。

 

同素材だけで製作するより、異素材(特に金属)との

組み合わせての製作の方が、より品物のグレードが

上がる様に思うのでしょう。

 

これはどうやら世界共通で、フランスの作家さんにも

「日本に良い枠無い?」と尋ねられた経験があり、

世界的に優れた美的な枠を今も造っているメーカーは、

残念ながら少ないと思われます。

 

下は石枠をセットして作る、指輪のトップの部分で、

シャンク部分が様々なデザインで造られています。

 

 

美的な製品と時短生産の躍進、この相反するものを

上手に融合する事が得意だった時代の、フランスの

一つの側面です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 01:32 * - * - * - -

ものづくり

人類の有史以来、文明が成り立つと共に発展した物造り。

 

生活に使われる土器から、狩猟に必要な武器から始まって、現代の

移動に使う高速鉄道まで…と、とてつもない時空を対象にした

中で生み出された機械や道具などの、あらゆる産業物。

 

フランスは今も職人を大切にし、その栄誉を称え、今迄造り続けて

きたあらゆる道具を展示する、素晴らしい博物館があります。

 

やはり圧巻は、スチーム動力が発明されてから以降のもの。

 

特に電気が登場後のアールデコの時代の工業機械は、その一つが

まるで芸術作品のように美しい展示物。

 

逆に極々小さなゼンマイが作り出す、正確な動きがもたらす懐中時計、

そしてオートマタと呼ばれるからくり人形たち。

 

巨大な物は、コウモリからヒントを得たと言う、飛行機。

 

あまりに多くの展示物に頭の中はクラクラ来ますが、豪華な展示室の

中は殆ど訪れる人も無く、ほぼ貸切。

 

贅沢すぎる時間にお腹も心も一杯です。

 

最後のコーナーでは、毎年発表される『フランス国家最優秀職人賞』。

 

ドレスから宝石、ガラス工芸、機械etc…。

 

展示物と共に、彼らの手のみの写真がズラッと並んでいた所に、

物づくりを忘れていないプライドを持つ国のあり方の一つを見ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 06:19 * - * - * - -

ルドゥテ花の力

現在、パリのど真ん中にあるロマンチック美術館で開催中の

『ルドゥテ 花の力』展。

 

18世紀後半から19世紀にかけて、ナポレオンの皇后ジョセ

フィーヌやメアリー皇后の庇護の下で薔薇の絵を描いた

画家ということでは有名ですが、彼は植物研究家であった、

という側面からも紹介しているこの展覧会は、ルドゥテの

植物に情熱を注いだ証とも言える多くの細密画と共に、

同時代影響を受けた画家や陶磁器、刺繍やレース、

テキスタイルやジュエリーまでをも網羅した、まさに

花尽くしな展覧会。

考えてみれば、確かにジュエリーの世界でも、一番多いモチーフは、『花』のような気がします。

 

鑑賞や香りを楽しむ他、薬としての効能、そしてデザインという概念のアイディアの源の一つでもあるという事実。

 

多くのインスピレーションをもたらしてくれる花々との付き合いを、改めて考えさせてくれる、貴重な時間です。

 

 

 

 

閲覧後は美術館内、19世紀のままの館と庭にある、小さな緑の庭園でお茶や軽食も楽しめる得点も。

 

この日パリは、夏の名残の30度に届きそうな気温でしたが、木陰は勿論ヒンヤリ。

 

小鳥が鳴く木の下での、花々に囲まれてのデザートタイムは、最高の時間。

 

帰り際、咲き終わった薔薇の最後の香りを頂こうと手を伸ばしたら、ハラハラと花弁が散って、幾枚かが掌に。

 

ムッシュー・ルドゥテからのお土産ということにしておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 01:12 * - * - * - -

カップル

〜お知らせ〜 明日3日(祝日)は営業となります。

 

ルーカス・クラーナハの描く多くの絵柄は、時として現代の

姿と重なる事も多く、見ていて楽しく、時々ドッキリ。

 

写真の絵も、旧約聖書に登場する人類の祖アダムとイブ。

 

二人仲睦まじく、楽園にて楽しく暮らす日々の図。

 

何だか何処にでもいる様な、ヤンキーカップルの如くの

たたずまいに、思わずニヤッ。

 

蛇にそそのかされて、禁断の実を食べるシーンも「ねぇ

美味しそうじゃ〜ん!一寸食べちゃう?」なんて軽そうな

面持ちで「気付いたら、やっちゃったのよね〜」な雰囲気が、

絵から醸し出されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 13:59 * - * - * - -

宝石のある絵画

クラーナハの魅力は、寓意に満ちた絵が多いこと。

 

写真の絵も、邦題『不釣り合いなカップル』。

 

老人がヨコシマな目的を持って若いオネエチャンに気に入ら

れるべく、指輪を対価に抱き付いているという図の模様。

 

どちらもしたたかさを湛えた顔つきに、キツネとタヌキの

化かし合いの要素を感じ、この構図が気に入ったクラーナハ

は多くの同じタイトルの絵を残している様です。

 

その人物観察と共に、女性達の身に着けるドレス、髪型、

そして何の石を使っているのか解るほど、緻密な表現で描か

れる、華やかな宝石類。

 

写真の絵も、まさに当時流行のピンキーリングをプレゼント

している構図に、思わずニヤリ。

 

当時の最先端のファッションが手に取る様に解るのも、楽しい

ところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Art * 13:38 * - * - * - -
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