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その美女の名は…

唯一好きで集めるミニ・アチュール(小細密画)の中、

今から随分と前に購入した、美しい女性像。

 

先日読んでいた、肖像画に描かれた貴婦人達の歴史

ドキュメント本の中に、彼女とそっくりな人を

見かけ、調べてみたら同一人物であることが解り

ました。

 

美女の名はレディ・エマ・ハミルトン。

 

レディの称号ですから貴族なのですが、彼女自身は

労働者階級の生まれ。

 

波乱の生い立ちを持って、運と才能で自ら出世した

という人生を送っています。

時代はフランス革命の頃。

 

エマはイギリスの田舎の鍛冶屋の娘でしたが、父親が早くに亡くなった事で家族の生活を支える為、10代そこそこで世の中に。

 

当時田舎出の若い娘が都会で直ぐに就ける仕事といえば、屋敷のメイドか下働きがもっぱら。

 

そこを起点として、一時は娼婦にまで身をやつしたものの、持って生まれた美しさから、とある貴族の愛人に。

 

更に出逢いの運に恵まれた彼女は、愛人の叔父に見染められ、上流階級に相応しい、マイ・フェア・レディのイライザの如くの教育を受け、とうとう父親程も年齢が離れている貴族の男性が、彼女を放し難くなり結婚。

 

夫が大使であった為、イタリアのナポリに赴任し、

ハプスブルグ王家からナポリに嫁いだマリー・

アントワネットの姉でもあるマリア・カロリーナ

王妃ともお友達…という華やいだ生活を送ります。

 

その後、フランス革命後に登場するナポレオンと

戦った当時のイギリスのヒーロー、ネルソン将軍

とも大恋愛。

 

ダブル不倫の状況のまま、彼との間に2人の子供

も誕生。

 

その後は運に見放されたかのように零落の一途。

 

最後は本国にも居られず、フランスに移るものの、

アル中となり、49歳という若さで世を去ります。

 

美しさ故に運命に翻弄されたとしか言いようの

ない生涯は、まるでトマス・ハーディーが書いた

運命に翻弄された美女『ダーバビル家テス』の様。

 

どうやら手元に在るミニアチュールは、一時絵画の

モデルで名声を浴び、数多く描かれた彼女の肖像画

を元にコピーされた中の一つの様です。

 

絵の中のエマは時代を超えた美しさを湛え、愛ら

しさと共に無垢な永遠性を感じさせつつ、永遠の

微笑みでこれからも誰かを魅了させるでしょう。

 

彼女の人生に興味ある方は、少々古いですが、映画にも

なっています。

 

1941年のイギリス映画で、邦題タイトルは『美女ありき』。

 

主演は『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラも演じた

ヴィヴィアン・リー。

 

一寸タイプの違う美女って感じですが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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