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石の中の貴方の庭

古い装身具の中に、どうしたらこういうデザインを

思い付くのだろうと、つくづく見惚れてしまう事が

あります。

 

滞在最終日、遠くから呼ばれる様に出逢った大粒の

ペンダントの碧の石の正体は…エメラルド。

 

ウズラの卵程はあるでしょうか。

 

宝石と呼ぶには、あまりにも未熟な印象ですが、

まるでパワーみなぎる大地の一部を切り取った様な、

素朴でありながら底力を感じ、思わず掌の上で

その力を確かめる様に転がして、次の瞬間には、

もう誰にも触らせまいと、しっかり握りしめている

自分が居ました。

 

時代は19世紀中〜後半のオーストリア・ハンガリー

二重帝国の頃のモノということ。

 

ルネサンス時代のジュエリーの様な、一寸稚拙で

素朴なオーストリア・ハンガリースタイルの中でも

珍しい石に特化したこれは、おそらく最初に石が

発見され、職人が熟考の末にホールを開け、ダイヤ

モンドをセットした銀細工のバチカンで、包む様に

セットしたと想像します。

 

上下ひっくり返すと、花の萼(がく)の様にも

見えて、エメラルドは、今にもフワリと固い蕾を

ほころばせる様。

 

エメラルドの特徴として、内包物の多さが挙げられ

ますが、それをフランスでは「ジャルダン(庭)」と

呼びます。

 

太古から、粛々と大地の全てを内包しながら成長して

来た、小さな『庭』のウズラの卵のエメラルドは、

きっと持ち主の心を、庭の様に潤してくれることを

願ってやみません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Antiques * 10:52 * - * - * - -
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