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想い出縁

出勤前に空いた小さな時間に、母が残したジュエリーを

取り出して、磨いてみました。

 

アンティークジュエリーが大好きだった母を、唯一

一度だけ連れて行った欧州買付で、母が購入した品の

中にあるジョージアンのREGARD RING。

 

R=ルビー、E=エメラルド、G=ガーネット、A=アメ

ジスト、R=ルビー、D=ダイヤモンドと貴石を並ばせ

『好意』を意味する言葉遊びになぞらえた品です。

 

稚拙な枠に石をセットして一列に並ばせた、シンプル

そのものの造りのリングを、母はこよなく愛していま

した。

ある日の事、大好きだった御三家オペラ歌手が来日しての、広〜い国立競技場でのコンサートに張り切って出掛け、曲が終わる毎に立ち上がって大拍手の繰り返しに、指輪の石達がビックリしたのか、帰りの道すがらに何気なく指を見たら、そこには石が全て抜け落ちた、空っぽの金枠だけが指の上に残っている惨状。

 

悲鳴とも、唸り声ともつかない声を上げて落ち込む母をどう慰めて良いかも分らないまま「もしかしたらバックの中に落ちてない?」と声をかけて、どれどれと探してみたら、底の方に転がる全ての石を発見。

 

大笑いの末、石をしっかりセットし直して、リングは無事に定位置に戻りました。

 

「ジョージアンの時代には、レディは拍手喝采なんて

しなかった?」

「一番激しい動きは、せいぜい華やかな扇をパタパタ

する位?」

 

いにしえの時代の女性の仕草や様式…謎と共に笑いが

込み上げる、骨董宝石の想い出です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jellicour * Antiques * 13:05 * - * - * - -
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